ピルの承認を渋った日本

避妊を主な目的とした低容量ピルは、1960年代にアメリカで認可されました。
一方日本では1990年から九年間にわたって長期審議が続き、1999年にやっと正式承認されました。
欧米から約40年も遅れての解禁でした。
ピルの承認を渋った日本ですが、どういった理由があったのでしょうか。
反対派の意見としては、まず副作用が明らかになっていないというものがありました。
低容量ピル以前に用いられてきた中用量のピルには、血栓症や心血管障害のリスクがありました。
ピルに含まれるエストロゲンという成分が子宮がんの原因になることも危険視されていたのです。
また「性的モラルの乱れが心配される」という声もありました。
コンドームの使用が減少し、エイズなど性病が蔓延することが懸念されました。
逆に賛成派は、ピルの承認が遅いのは反対派のジェンダー認識のためだと考えているようです。
医療制度を作る側や医師に男性が多いため、女性の健康やリプロダクティブヘルツ・ライツに関することが、後回しになったという指摘があります。
この立場の人たちが、「バイアグラがたった半年でスピード承認されたのに、ピルが承認されないのは女性差別だ」という声を上げたことが、ピル解禁を後押ししたとも言われています。